このシリーズは、平成最後の秋から初冬にかけて色々あって大変だった私・岩崎の激動の約3ヶ月間を記録したものである。
「残念だけど、12月で終わりね。契約更新しないから。雇い止め、ってやつですwww」
本社で人事を担当する偉い人×2が、仙台を訪れたのは9月中〜下旬のこと。
場の雰囲気で「人事の話だろうな…」と察しがつき、一瞬で覚悟は決めた。だが、自分の生活が脅かされる話を聞かされるのは、やはり気持ちのいいものではない。ショックは多少受けた。
理由を尋ねたところ、会社経営の都合でということだった。所属長のヒアリング抜きにして、本社で勝手に決めたらしい。
正社員で募集をかけていたのに契約社員で…という条件を飲んでの入社だったが、そういうことだったか。伏線が回収された感じ。
諸々を鑑みて、納得せざるを得ない状況だった。仕方がないですね、と喉元まで出かかった時、偉い人が一言。
「まー、アレだね。君にも将来性ないしwwwww」
…何を言い出すんだ、この男は?
上司たちが私にどれだけ時間を割き、技術を伝え、四六時中鍛えてくれたか知らないのか。
苦しいこともあったが、全て私の肥やしになった。それを否定する気か。
「将来性、と言いますのは技術的な話でしょうか?それとも人格的な問題でしょうか?」
すかさず噛み付いた。
「いや、そういうわけじゃないんだけど〜www」
じゃあどういうわけだよ!!!
もう1人は何も言わない。
この発言はその場で思いついた、付け焼き刃のハッタリだとわかった。
「労働基準法では、契約解除の1ヶ月前に本人に通告でいいんだよね〜。それを今日わざわざ来て、君に伝えてるんだから(ありがたく思え)」
「再雇用先?自分で探して。僕こっちに知り合いいないし。悪いんだけどさ〜www」
こんなヤツを人事担当に据え置いてていいのか弊社。
もう1人は無言を貫く。こういう置物なんじゃないかという気がしてきた。
だんだん怒りが湧いてきた。
目前にいる労働者の実績を評価せず、経費としか見ていない男をこれ以上しゃべらせたくない。
「わかりました。後ろ髪引かれる思いではありますが、社のためとあらば仕方がありません」
合格点の回答だったと自負している。
愛読書から学んだ。
労働者は兵士と同じ。歯向かうものは即殺される。
ここでゴネたら雇い止めどころか解雇の可能性も否めない。
「…ありがとう」
置物がようやく口を開いた。 刑事ドラマでカツ丼頼んでくれる役、プロレスのベビーフェイス、ってところか。ふーん。
こうして退職が決まった。
とりあえず12月末までに仕事を探さなければならない。火蓋は切って落とされた。
余談。
誠に残念だが、募集と違う条件で雇われたことは仲介してくれたハローワークに報告済み。次に誰か雇う時、影響出ないといいですね。
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愛読書って大袈裟に言ったけど、これよ。これ。映画楽しみ。