銀行手続きの都合で弾丸帰省した日、帰りの夜行バスでのこと。
小中学生の春休みが終わり、平日夜ということでゆったり座って帰れるかなー…と思ったが、甘かった。隣に座ったお嬢さんの格好がリクルートスーツ。どうやら学生で、就職活動中らしい。車内には他にもスーツ姿の若者が5-6人ほどいた。
仙台から東京方面に出るつもりなのか、首都圏の大学に進学してUターン就職を狙っているのかはわからない。それよりも、スーツで高速バスはなかなかキツいものがある。私は盛岡〜仙台往復で1度経験したことがあるが、片道3時間でも身体が強ばってしまい、広瀬通に到着した時はヘロヘロになった。「ストレッチ素材のものを買えば良かった」と後悔した記憶がある。
仙台〜東京は片道約6時間、つまり盛岡往復の倍の時間がかかる。しかも夜間。「若さ」という一時のみに許された身体能力があるとはいえ、雇ってもらえるかもわからない企業のために身体を酷使するのは可哀想に思えてならない。
だが、新幹線は料金が高くて学生には難しいだろう。たった往復1回で、1月分のバイト代が吹っ飛ぶ人もいるはず。就活生の交通手段は、高速バスを余儀なくされている。
大手で安心の終身雇用…なんて、親世代の夢物語を本気で信じてる学生は、ほぼいないと信じている。それなら無理せず、地元企業を狙ってもいいのではないか…と言いたいところだが、残念ながら東北で新卒で就ける仕事は大体決まってきている。もちろん既卒者も。以前記した通り「女性」と言うだけで「ハンデ」と捉えるクソ企業も、残念ながらまだいる。首都圏での就職活動は、少なくとも間違いではないはずだ。
あの学生たちは、上手くいっていればそろそろ次の選考段階に進んだろうか。苦労が実を結び、良き会社とのご縁に恵まれることを願っている。